GROUP研究グループ
高機能イオン創成グループ
未だ見ぬ機能をもつイオンを探求しライフサイエンスを革新する
- 代表
- 黒田浩介 准教授
- 専門分野
- グリーンケミストリー、バイオケミストリー
- キーワード
- イオン液体、バイオマス、微生物、細胞、凍結保存
当グループでは様々な人工イオンを合成し、ライフサイエンスへの応用を行っています。イオンの中でも常温付近で液体になる少し変わった塩にフォーカスしています。この液体の塩はイオン液体と呼ばれ、水とも有機溶媒とも異なる「第3の液体」として知られています。イオン液体は何十万種類も存在し、そのイオン構造を変化させることで様々な機能を発現できるため、デザイナーズ溶媒とも呼ばれます。
具体的な研究テーマとしては、例えば生物に対して低毒性なイオン液体の開発を行っています。精子バンクのように細胞を凍結保存するときには、低毒性な溶媒が必要になるのですが、これまでの溶媒は消去法的に選ばれてきたものでした。本研究グループでは、生物に対して最適なイオン液体を設計・開発することで、凍結保存するための新たな溶媒を提案することができました。
全ての生物の溶媒は水であり、それ以外の溶媒を積極的に設計するという概念は新しく、また挑戦的なテーマです。実現は決して簡単ではありませんが、それが実現されたときには、ライフサイエンスを支える基礎研究を一新する可能性があります。その夢に向かって日々研究を推進しております。